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Lee-Byung-hun addicted

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『タチュルコヤ』 (5)

『タチュルコヤ』 (5)


いつも玄関まで迎えに出てくる揺の姿が見えなくて僕は心配になった。
「オモニ、揺どうかしたの?」
「ん?今日は気分がいいからって昼間買い物に出かけたんだけど帰ってきたら顔色があんまり良くなかったから、少し部屋で休みなさいって私が言ったの。揺ちゃんは大丈夫ですって言ってたけど。さっき覗いたら横になってたけど起きていたみたいよ。」
そう説明するオモニの言葉を聞き終わらないうちに僕は階段を駆け上がっていた。
慌てて寝室を覗くと揺は窓際に立って外を眺めていた。
僕はそっと近寄って彼女を後ろから抱きしめる。
「揺・・大丈夫?無理しちゃダメだってあれほど言ったのに。僕がついてないとこれだから心配なんだ」
いつもなら僕の溺愛ぶりに呆れた顔をして笑うか、心配かけてゴメンとすまなそうに謝るかのどちらかなのにこの日の揺はどちらでもなかった。
抱きしめた僕の腕をそっと握って黙って雲がかかった月を眺めている。
「揺・・・やっぱり具合良くないの?」
僕が心配そうにそう訊ねると彼女は黙って首を振った。
「ごめんね。帰って来たの全然気がつかなくって。」
揺はそういうと僕の手をそっとさすった。
様子がいつもと違う。何かあったのだろうか。
僕は揺をベッドに座らせてそっと肩を抱きしめた。
「揺・・買い物行ったんだって?何買ったの?」
そう訊ねる僕に
「ん?何も買わなかった。欲しいものが見つからなかったから」
僕の肩に頭を預けて揺は大きくため息をついてそう答えた。
「なんだ。僕と一緒に行けば探してあげるのに。じゃ、明日買いに行こうよ」
「ううん。大したものじゃないし。一人で行けるから気にしないで」
「ダメ。僕が一緒に行きたいんだから。」
僕が笑いながらそういうと揺はちょっと間を置いて小さくため息をついて口を開いた。
「ビョンホンssi・・」
「ん?」
「私ね。ベタベタするの・・あんまり好きじゃないんだ。買い物も一人で行けるし
なんだって一人でできるの。だから・・・私のことなんか構わなくていいから、ほおっておいていいからさ。好きなことやってくれないかな。」
そう言って僕に向けたまなざしは真剣そのものだった。
「揺、何言ってるの。僕が揺といたいんじゃないか。好きなことやってるさ。
揺と毎日一緒にいられてその他に好きなことなんて今はないよ。」
そう言って不安げな表情の揺を抱きしめた。
腕の中の揺は何も答えず大きなため息をついた。
「揺・・・何かあった?」
心配して訊ねる僕に揺は何も答えず首を振った。
そして僕にしがみついてきた。
いったい何を心配しているんだろう。


私はいったい何をしているんだろう。
私のいつもと違う様子を心配する彼に結局何も言うことができなかった。
何をどういったらいいのかわからない。
私の頭の中は混乱していた。
明日買い物に付き合うと言い張る彼に疲れているから家にいると言った。
じゃ、仕事を休んで一緒に過ごすと言い張る彼を一人の方がゆっくりできるから気にしないで仕事に行くよう言い含めた。
本当は一緒にいてずっと抱きしめていて欲しいのに・・・。そんなことは言えない。




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